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個人外注(一人親方)に対する業務委託に関して、留意することはなんでしょうか?

2009年08月22日 個人外注や一人親方と呼ばれる立場で業務を行う人達がいます。これらの人については、二つの観点からの留意すべきことが考えられます。

一つ目は、本当に、業務委託という形態が適正に行われているかということ、すなわち、もっと端的に言えば、「実際は、個人外注(一人親方)という名称だけで、直接雇用されている労働者ではないのかどうか」という点です。
受託者が個人外注(一人親方)、すなわち個人であったとしても、契約形態が「業務委託契約」である以上は、実態として発注者から独立して業務処理をすることが、その要件であることに変わりはありません。
そのため、一人親方などが、発注者との間で、個人業務委託契約を締結しているにもかかわらず、発注者からの「指揮命令」を受け、それに従って労務の提供をし、これに対して発注者が当該一人親方に対して対価を支払う場合、すなわち、発注者との間に使用従属関係があり、その対償として「賃金」が支払われていると認められる場合には、もはや、発注者と一人親方との間の関係は「業務委託契約」とは認められず、「雇用契約関係」が認められることになります。個人外注(一人親方)は、発注者が直接雇用する労働者に該当することになるのです。

なお、この「労働者」の判断については、労働基準法研究会報告「労働基準法の『労働者』の判断基準について」(昭60.12.19)や、藤沢労基署長(大工負傷)事件(最高裁一小 平19.6.28判決)、横浜南労基署長(旭紙業)事件(最高裁一小 平 8.11.28判決)などの基準により、個人業務委託として認められるには、次に掲げる要件を満たす必要があるとされます。

(1)仕事の依頼、業務従事の指示等に対して諾否の自由を有していること
(2)業務遂行上の指揮監督を受けていないこと
(3)受託した業務以外の業務に従事することがないこと
(4)勤務場所および勤務時間等が指定されていないこと
(5)本人に代わって、他の者が代替して業務を遂行することが認められていること
(6)報酬が時間給を基礎としていないこと
(7)報酬は給与とし源泉徴収を受けておらす、事業者として報酬を受け、業務遂行上必要な費用を負担し、その報酬の程度からみても、独立した事業者と認められること


二つ目は、労働者供給の問題に抵触しないかということです。個人外注や一人親方等の個人業務委託の場合における業務委託契約自体は、「自己の雇用する労働者または自己の支配関係にある労働者を供給契約によって他人に使用させる」である労働者供給には、該当しません。

しかしながら、個人業務委託契約に基づき、一人親方などが、発注者ではなく、他人の指揮命令の下に当該他人のために業務を遂行する場合には、労働者供給に該当しかねない場合があるのです。すなわち、発注者から業務委託を受けた事業者が、自己の受託した業務を、個人業務委託者に再委託し、この再委託契約に基づいて、個人業務委託者、契約当事者である再委託者ではなく発注者の指揮命令の下で業務を遂行すること、すなわち、第三者(他人)である発注者に対して役務の提供をする場合には、労働者供給に該当することになるのです。このような労働者供給となることがないように、当該一人親方が発注者等の指揮命令を受けることなく、発注者などから独立して受託した業務を遂行できるようにしなければなりません。

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