人件費・賃金に関する補足説明をしております。

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  • 当社の製品の一部を外注している請負会社の従業員の技術を、当社の選定基準まで引上げたいと思っています。発注者として、請負会社の従業員に対する教育・技術指導を行うことができるのでしょうか?

    2009年08月22日 請負においては、請負事業主が、発注者から独立して業務を遂行することが必要であり、そのためには、自社の従業員に対する教育も、請負事業主自らの責任で行うことが前提となります。厚生労働省の告示でも、業務管理上の独立性の要件を充足する要素として「労働者の業務の遂行に関する評価等に係る指示その他の管理を自ら行うこと」が要件とされ、これを受けて各労働局作成のチェックリストでも、「仕事の完成や業務の処理方法の教育、指導は請負事業主自ら行っている」ことが必要とされています。

    もっとも、厚生労働省のQ&Aによれば、以下の場合になされる技術指導については、例外的に、発注者が請負労働者に対して技術指導などをすることが許されていると考えられます。

    イ 新たな設備を借り受けた後初めて使用する場合など
    ロ 新商品の製造着手時において、発注者が仕様などについて補足的な説明を行う場合
    ハ 発注者が安全衛生上緊急に対処する必要のある事項について、労働者に対して指示を行う場合のもの

    また、「請負事業主のガイドライン」および「発注者のガイドライン」では、請負労働者に対する教育を実施するに当たっては、発注者の協力を得て、発注者側が作成したプログラムを利用することにより教育訓練の充実を図ることが定められている。もっとも、そのような場合であっても、利用料を負担するなどして、請負労働者に対する教育・指導は、請負事業主自らの責任で主体的に行うことが必要とされていることに変わりはありません。
    また、OJT方式で発注者側が請負労働者に教育をすることは、事実上、業務遂行上の指示命令をしていることと明確に区別できないことから、避けるべきでしょう。

    ところで、請負事業主がノウハウを蓄積して、発注者から独立して業務処理できるようになるまでの間は、労働者派遣契約として、その間に請負事業主としてノウハウを蓄積した上で、請負に変更することは認められています。
    しかし、一度請負に変更した後に、請負労働者が日常的に発注者に対して教育・指導を仰いでいては適正な請負とは認められません。そのため、請負に切り替えるに当たっては、事後は、請負事業主自らの社内で、技術・ノウハウが伝達できるように、指導・教育体制を構築したうえで、請負に切り替えることが必要でしょう。

  • 請負で業務を行うにあたって、発注者の設備、機械、装置等の利用する場合には、無料で貸与をうけてはならないと聞きました。その賃料は、どのような点に注意して決定すべきなのでしょうか?

    2009年08月22日 請負では、請負契約により請け負った業務を自己の業務として当該契約の相手から独立して処理することが要件とされています。
    そして、厚生労働省の告示では、労働者派遣事業と区分される請負と認められるために充足する一つの要件として、「次のイ又はロのいずれかに該当するものであって、単に肉体的な労働力を提供するものではないこと」を挙げ、
    「イ 自己の責任と負担で準備し、調達する機械、設備若しくは器材(業務上必要な簡易な工具を除く)又は材料若しくは資材により、業務を処理すること」
    「ロ 自ら行う企画又は自己の有する専門的な技術若しくは経験に基づいて、業務を処理すること」
    のいずれかを充足することが必要であるとしています。

    このうちイの要件について、「労働者派遣事業関係業務取扱要領」によれば、「当該要件は、機械、設備、資材などの所有関係、購入経路等の如何を問うものではないが、機械、資材等が相手から借り入れ又は購入されたものについては、別個の双務契約(契約当事者双方に相互に対価関係をなす法的義務を課する契約)による正当なものであることが必要である」とされています。
    そこで、請負事業主が、事業を遂行するために、発注者から機械、設備、装置などを賃貸する場合には、対価関係が認められるような賃料で賃貸する必要があります。特に、ことさら賃料を低く定めた場合には、対価関係が認められず、無償で使用していることと同視されかねないのです。よって、当該機械の一般市場におけるレンタル料や当該設備の減価償却費、固定費等を参考に、合理的な算出方法に基づいて、賃料を決定する必要があります。

    また、「労働者派遣事業関係業務取扱要領」によれば、「製造業務の場合」には、発注者から機械、設備などを賃借する場合には、補修および修理に要する経費についても請負事業主が、負担すべきとされているのでこの点については注意を要します。
    したがって、機械などの賃貸借契約で、賃料を規定する際に、毎月の補修費用を含めるのであれば、賃料には、補修費用が含まれていること、および当該補修費用はどの範囲を含むのか(通常生じる補修費用か、あるいは、それを超えた分までを含むものかなど)、その範囲を超えて補修費用、修理費用が発生した場合には、発注者と請負事業主のどちらが補修費用を負担するかなどを決めておく必要があるのです。

    なお、本来は、請負契約に伴って生じる機械などの賃貸借については、当該請負契約の契約書上で、機械、設備等の賃貸借に係る条項を規定すれば足りるのですが、「労働者派遣事業関係業務取扱要領」では、「別個の双務契約」を締結することが必要であるとされています。従って、請負契約を締結する際に、機械、設備などを請負事業主が発注者から賃借する場合には、請負契約とは別に賃貸借契約を締結するのが無難です。

  • 「請負契約書」では、業務内容をどこまで特定すべきなのでしょうか?

    2009年08月22日 民法上、契約は口頭であっても成立することから、請負契約の場合も、契約が成立するための契約書の作成自体が必須条件ではありません。

    しかしながら、適正な請負業務と認められるには、請負事業主の独立した事業であることが要件であり、独立した事業として請け負っていることを明確にするためには、請負契約書、業務委託契約書などの書面をもって、両者の取引契約であること、および双方が負担する権利・義務の範囲を特定すべきです。

    請負契約では『請け負った業務を完成すること』、また、業務委託契約では、『受託した業務を遂行すること』が債務の本旨となり、これら受託した業務が履行できない場合には、請負事業主の債務不履行となります。言い換えれば、受託した業務の範囲が、どこからどこまでなのかが明確でなければ、債務不履行責任も曖昧となり、請負事業主としての自己の事業として独立して処理をしていないと判断されかねないのです。最近の労働局の指導などでも、契約書、書面による調査のみで偽装請負か否かを判断されることも少なくないようです。

    そこで、契約書上も、どこからどこまでが受託した業務の範囲内かが分かるように具体的に特定し、他の業務との独立性が明確になるように規定することが必要となります。
    なお、この特定は、契約書上では特定が不十分であっても、この契約書を受けて締結される覚書、仕様書などで補充して明記されていれば足りるでしょう。

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