退職金は、文字通り、退職を理由として、その労働者に対して、一時金若しくは年金の形態で支払われます。退職者すなわち今後は会社に貢献してくれる訳ではない労働者に対して少なくない金額を支給するという意義としては、以下の3つがあるといえます。
(1)老後の生活保障・・・定年後、年金以外の収入が絶たれた後の生活の保障として支給
(2)賃金の後払い・・・勤務中に支払われるべき(支払ってもよかった)賃金の一部を退職後に支給
(3)功労報奨・・・勤務中の功労に対する報奨金としての支給

企業により、どの意味合いで支給するかは異なるでしょう。(2)と(3)とを合わせた企業が多いのではないでしょうか。

しかしながら、この退職金の意義により、この意味合いにより退職金の原資をどうするかという考え方にも関わってきます。また、のちに説明する【4】に掲げるような争いごとが起きた場合、企業としては支払いたくない問題社員への退職金の不支給が、その退職金支払の意義により、認められたり認められなかったりするということも起こりうるのです。
他社にもあるから支払うとか、採用の時、有利になるから支払うといった意味で何百万円、1千万円以上になるかもしれない退職金を支払うのは辞めたほうがよいでしょう。
企業として確固とした意義を持たせるべきです。さらに、その“運用”においては、非違行為の抑止力や、競業他社への就職や独立に対する抑止力という位置づけを持たせることが重要になってくるでしょう。それは、【4】の記事をを読んでいただければご理解いただけると思います。

【実際の相談の一部】

社長「うちは、会社でがんばってくれたということに対して支払いたいと考えているんだ」

「だったら、60でしょうか。」

社長「退職届を出した後、ずっと年休を取って、業務の引き継ぎを行わない社員にまでも退職金を支払わないといけないの?」

「御社の現状の退職金規程では、引継ぎを行わないことで退職金を支払わないということはできません。今後を考えれば、退職金規程にある条文を加えることが必要になってきますね。その他、ライバルとなるような会社を作ったり、御社の従業員を引き抜くような社員に対する対策も打っておきたいですね。そのためには、規程類や契約書、誓約書の整備が欠かせません。必要な文言が入っているでしょうか。退職金制度に関する診断や、退職金規程、誓約書などの整備はお任せください。」